6月30日に石川県立音楽堂で開催された第7回バリアフリー観光推進全国フォーラムいしかわ大会に参加してきました。
イベント開催地の金沢市では園内の傾斜が色分けされた見やすい「兼六園満喫バリアフリーマップ」を製作。庭園内の車いすでの快適な散策を可能にした車いすを貸出。聴覚に障害のある方の観光ガイド「かがやきR」。中能登町では障害攻略課プロジェクトなどなど、石川バリアフリーツアーセンターや自治体が中心になって、バリアフリー観光推進の取り組みが行われています。
イベント当日は全国のバリアフリーツアーセンターと行政や自治体、旅行会社など観光産業に携わる方を中心に、障害当事者や高齢者、補助犬ユーザー(盲導犬2・介助犬1)が300名ほど集まり開催されました。
主な講演テーマは以下の通りです。
■バリアフリー温泉で旅館再生 ■国における観光地のバリアフリー化推進について ■松江しんじ湖温泉なにわ一水の最先端を行く温泉旅館バリアフリーリニューアル ■温泉はバリアフリー観光で進化する ■ピアニスト辻井伸行と歩いた世界 ■石川県におけるバリアフリーの推進と地域の取り組み ■2020年パラリンピック・オリンピックを目指して
バリアフリー観光の各分野の最前線で課題に取り組んでいらっしゃる方々の講演は、今まさに解決するべく取り組む課題とぴったり合っててノートがメモでいっぱいに。
障害当事者と家族の可能性について話された辻井伸行さんのお母様のお話しは、大きな感動を呼び会場が拍手で埋め尽くされました。
講演終わりにはお会いしたかった平野様ご夫妻と介助犬タフィーにお会いしてお話しさせて頂きました。先日のバリアフリー展で偶然、タフィーの訓練の様子を訓練士さんから聞いててやっとお会いできたので、すごく嬉しい出会いになりました。
会場をANAクラウンプラザ金沢に移って交流会も開催されました。
普段参加する旅行業界の交流会や商談会では、車いすでは宴会場内思うように上手く動けないことも多いです。ですが今回は車いすユーザーが問題なく動き回れる配席でたくさんの方と交流ができました。最近お客様がお世話になった伊勢志摩バリアフリーツアーセンターの方々を中心に、日本各地のバリアフリーツアーセンターの方々にご挨拶とお礼の言葉を直接お伝えできる機会となり感謝です。
〜最後に〜
今回のイベントではバリアフリー観光が可能な社会の実現のために、予算等の関係で解消されないハードの改善は心のバリアフリーで大部分は対応できるとの見方があり、「心のバリアフリー」の重要性が何度も話題に上がりました。
主立った観光地のハードは段々と年月をかけて少しずつ改善され、心のバリアフリーも企業の研修等や個人の学びを通じて広がりをみせています。
しかしながら、難病障害当事者として同じく旅や外出に不安を抱えながら旅行業を営む私の経験としては、「機を逸すること」が1番のバリアではないのかと痛感しています。
「行きたい場所に行きたい!食べたい物を食べたい!会いたい人に会いたい!」と強く思ったときに1歩に踏み出してほしい。環境やサポート体制が万全なのに超したことはないですが、機会やタイミングを逃してしまうと目的地から遠ざかって到達できない気がしています。
私も仕事として行きたい場所に行けたらいいなというお客様の希望の実現をお手伝いしつつ、プライベートでも行きたい場所に行けたらいいなを実践して発信していきます。
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